名古屋市の認知症、動脈硬化、自律神経失調症、その他脳、神経に関する専門的クリニック

自律神経療法と栄養療法で癌を追い出せ

 自律神経失調は、2大疾病である血管障害と癌の発症に影響を与えます。自律神経失調により血管が収縮し、つまってしまった場合、脳梗塞や心筋梗塞などの血管障害が起こります。長年、動脈硬化の診療をしていますから、自律神経の重要性は痛切に理解できます。癌についてはどうでしょう?

 癌は早期発見に力点が置かれています。私も自分の患者さんには出来るだけ癌の検診を受けるよう薦めています。自分自身も最近胃カメラを受けたばかりです。しかし、こういう考え方もあります。癌年齢になると、毎日、癌細胞は数千個発生しているという研究があり、それが「癌」として発見されるまで数年かかるというのです。その数年の間に免疫系が活躍して癌細胞を退治し、事なきを得るのです。その免疫系を調節するのが自律神経で、副交感神経がリンパ球を造り出し、癌細胞と戦うのです。自律神経失調では副交感神経機能が低下し、種々の症状が出現しますが、長期的に観ると、免疫系の低下につながります。この免疫系を低下させないためにも自律神経機能を少しでも改善させることが重要です。

もう一つ、栄養学的に癌予防を考えてみると、活性酸素という問題があります。活性酸素は体内のサビのような物で、老化とともに生まれやすくなります。このサビを退治するのが抗酸化物質で、食事中のビタミン、ミネラルなどがこの役割を果たします。食生活を充実させることが第一ですが、現代食ではどうしても不足しがちなので、栄養補助食品(サプリメント)で補うのも一策です。私もサプリメントを用いていますが、やはり癌は怖いので、何か安心感を得られる心の拠り所も必要と思われます。癌予防には、禁煙、ストレス軽減などに加えて、自律神経、サプリメント療法も有効です。

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