名古屋市の認知症、動脈硬化、自律神経失調症、その他脳、神経に関する専門的クリニック
昨年、「認知症ケアシステム」委員会という医師会の取り組みに参加し、認知症を色々な角度から考える機会を持ちました。現在、我が国には180万人の認知症患者がいると言われますが、2030年頃には300万人にも達すると推定されています。爆発的に増加して行く認知症患者を現体制ではフォローしきれなくなる時期がまもなくやって来るはずです。「認知症ケアシステム」は、この危機感を打開するため発足した委員会だといえます。私なりに、「認知症ケアシステム」の目指すところを要約すると、以下の2点になると思います。
「認知症ケアシステム」は、今年おそらく本格的に始動することと思いますが、渡辺クリニックも何らかの形でこれに携わりたいと考えています。
昨年、非常に印象に残った勉強会を挙げますと、大野竜三先生(愛知県がんセンター名誉総長)の「終末医療のリビング・ウィル」があります。リビング・ウィルとは、元気なうちに延命医療を拒否する意思を表明しておくことです。私は、認知症こそ特にリビング・ウィルが必要であると思いました。認知症が進行したら、自分の身の振り方を判断できなくなります。認知症の末期には、寝たきりになり、口から食べられなくなる場合も少なくありません。それでも延命を希望するかどうか、考えておく必要があるかもしれません。渡辺クリニックでも認知症におけるリビング・ウィルを作ってみました。関心のある方はお尋ね下さい。