渡辺クリニックの今年のテーマは、認知症にもっとしっかり取り組むことです。認知症の早期発見と訓練に力を入れたいと思っています。認知症の原因で一番多いのはアルツハイマー病ですが、80才になると約2割にアルツハイマー病が出ると言われています。認知症は特に珍しい病気ではないのです。そしてそれほど恐れる病気でもないのです。物忘れ、認知症に関する私の独断と偏見を以下に述べます。おそらく間違ってないと思います。
- 物忘れを訴える人には認知症はいない。しかし、その前段階である可能性はある。
本格的な認知症では、自分の物忘れも忘れてしまう。従って自分から受診しようとはしない。物忘れを心配しているうちは大丈夫。
- 認知症の治療は、本格的な認知症にはあまり効かない。
早期発見が大切である。認知症の前段階から始めるのが効果的。
- 認知症の薬の効果は訓練次第。
訓練して、特に前頭葉を鍛えなければ薬が脳全体に届かない。
- 認知症の予防、訓練は歩くことから。
歩くことは前頭葉を活性化させる。認知症は進行すると寝たきりになるので、その予防のためにもまずは歩く。他の訓練は歩いてから。
- 拒絶、逃げは認知症の始まり。
新しい事、嫌な事に取り組めないのは、能力が落ちてきた証拠。惚けてきたので逃げるのか、逃げてばかりで惚けるのか。
- 認知症は国を滅ぼす。
進行すると介護費用が約30万円/月かかる。介護する人がいない。
- 少しくらいのボケならむしろ楽。認知症を恐れることなし。
軽度の認知症は生活に支障なし。嫌な事も忘れられる。