名古屋市の認知症、動脈硬化、自律神経失調症、その他脳、神経に関する専門的クリニック

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筋肉は減り脂肪は増える

 老化とともに代謝が減っていきます。体内に取り入れた栄養分を燃やすのが代謝です。若い頃より食べる量は少ないのに中年太りするのは、代謝が低下しているからです。代謝できず余った栄養分は、大抵は脂肪として蓄えられ、だから太るのです。

 代謝の場の一つは筋肉です。代謝が減っていくということは、筋肉は加齢とともに減っていくのです。25歳ころがピークで、それから1年で1%くらいずつ減っていきます。筋肉の重さが体重に占める割合(筋肉率)は、50歳代で約30%ですが、80歳代になると20%近くまで落ちていきます。

 一方、体重に占める脂肪の割合(体脂肪率)は逆に少しずつ増えていきます。加齢とともに筋肉が減り燃やせなくなるので、脂肪が増えるのは仕方のない現象です。

 筋肉が減り、脂肪が増えたら? トラックの馬力が減るのに、荷物が多くなるようなものです。そのうちにトラックは動かなくなるか、転倒することになります。人間なら座りきり生活になるか、転倒・骨折・寝たきりという事態になるのです。

 老後の楽しい生活のためには、筋肉を鍛えなければなりません。 もう一つ、燃やされる脂肪の主体は内臓脂肪ということも忘れてはいけません。内臓脂肪は動脈硬化、がん、アルツハイマー病など現代病の根源です。内臓脂肪は腐りやすいが、燃えやすい脂肪です。燃やしやすいけど、サボると腐りやすい脂肪ともいえます。内科的にも筋肉を鍛えることはどんな薬より有用であると思います。

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