最近は体重計に乗るだけで体脂肪率が計れます。体重50Kgの人が体脂肪率30%なら、その人は50Kg×30%=15Kgの脂肪が体内にあるという計算になります。体脂肪率の平均は男性で20%、女性で30%と、女性の方が多いのです。
しかし脂肪には色々あるということを忘れてはいけません。脂肪を大きく分けると皮下脂肪と内臓脂肪があります。女性は皮下脂肪が多く、男性は内臓脂肪が多いといわれます。皮下脂肪は良い脂肪、内臓脂肪は悪い脂肪です。現に男性の平均寿命は女性より10年近く短く、これは内臓脂肪のせいもあると考えられます。内臓脂肪は動脈硬化を起こし、脳梗塞や心筋梗塞のもとになるので、確かに短命の原因になります。また内臓脂肪は一部のがんを引き起こすともいわれます。内臓脂肪は少ないに越したことはありません。
さらに内臓脂肪はアルツハイマー病をも引き起こすことが最近は報告されています。ここで疑問が生じます。アルツハイマー病は女性の方が2倍ほど多いのです。内臓脂肪の少ないはずの女性にアルツハイマー病が多いのは、ちょっと矛盾します。ここで影響するのが女性ホルモン(エストロゲン)です。
エストロゲンが分泌されているうちは、女性の脂肪は皮下脂肪が主体です。しかし更年期以降、エストロゲンが分泌されなくなると、内臓脂肪の比率が増えることになります。エストロゲンで守られなくなった女性の体内の脂肪はどんどん内臓脂肪化していくのです。もともと女性は男性より脂肪が多いので、アミロイドが急増していくのは仕方ありません。
老年期を過ぎた女性のお腹で良い脂肪(皮下脂肪)が悪い脂肪(内臓脂肪)にどんどん変貌していく様子が想像されます。女性は中年期を迎えた頃から、筋肉強化を心がけるべきです。変なダイエットより運動です。"女はつらいよです。