名古屋市の認知症、動脈硬化、自律神経失調症、その他脳、神経に関する専門的クリニック

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不登校にも色々ある

 不登校が増えてきています。不登校の原因の一つとして起立性調節障害(OD)があります。朝起き上がろうとすると、動悸やフラツキなどで活動が開始できないのです。

 ODは成長過程の異常で起こるのですが、精神的な成長不良と肉体的な成長不良に分けられます。精神的ODとは、人間関係、家庭や学校などの環境の問題が精神的に成長過程の子供にダメージを与えるために起きます。

 一方、肉体的ODとは、起立などに際して心臓、血管などの臓器が十分反応できなくて起き、自律神経失調症が原因にある場合が多いようです。自律神経の成長が遅れているのです。

 我々は脳神経内科ですから、肉体的ODを対象にすべきで、精神的ODは神経科にお願いしなければなりません。脳神経内科医では精神的ODはしっかり治せません。しかし肉体的ODは脳神経内科の分野で、治す自信があります。従ってまずやらなければいけないのは、ODでもどちらに問題があるかを見極めることです。最初にこれを「OD問診」で判別します。

 肉体的OD(以下ODと略す)であると判断されたら、自律神経の状態を調べます。私のクリニックでは『起立負荷試験(Tilt Test)』と『心拍変動パワースペクトル解析』を用いて自律神経を評価します。ODでは交感神経が興奮して起立時に心拍が異常に増加したり、血圧が低下します。交感神経の数値(場合によっては副交感神経も)が大きくはね上がるのです。交感神経は車ならアクセル(副交感神経はブレーキ)です。ODは初心者の運転みたいに内臓へ働くアクセルが強すぎて心臓などが“戦闘モード”になってしまうのです。心臓以外の内臓も慢性疲労を起こして、“怠け者”に見える子供を作ってしまいます。

 ODは思春期に起きる成長障害ですが、似たような症状は青年期にも老年期にも増えてきているように思います。自律神経失調症の増加が広い意味のODを増やしているのでしょう。

  • OD患者の場合

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