大体の認知症には根治療法(完全に治す方法)がありません。認知症の6〜7割を占めるアルツハイマー病も治療薬はあるものの、進行を数年間止めるだけで、根治にはなりません。そこで私はアルツハイマー病の自律神経に目を向けて、自律神経失調症があれば、これを整えることでアルツハイマー病の進行を抑える方法を提案したいと思います。
自律神経失調症は以下の3つの理由でアルツハイマー病に関係します。
- 1中年期に副交感神経が低下するとアルツハイマー病の原因物質であるアミロイドが吐き出せなくなり、脳内に溜まる
- 2老年期に交感神経が暴れると活性酸素(体内のサビ)が生まれ、アミロイドの攻撃で弱った神経細胞をさらに弱らせる
- 3老後に副交感神経が低下すると腸管の消化力が低下して栄養失調に陥り、神経ホルモン(脳内に情報を伝える)が生産できなくなる
中年期はメタボ、老年期はストレス、老後はフレイルが鍵で、それぞれ自律神経失調症が関係します。自分の年代に合わせて自律神経を整えれば、メタボ、ストレス、フレイルが抑えられ、アルツハイマー病も予防できるはずです。その自律神経調整法とは・・・?
そのような観点から『自律神経のととのえ方〜認知症予防のために〜』を書きました。高齢者向けの本は、これが最後のつもりです。コロナで認知症が増えてきています。自律神経にも目を向けてください。