名古屋市の認知症、動脈硬化、自律神経失調症、その他脳、神経に関する専門的クリニック

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万病の元の自律神経失調を治すこと

"" 自律神経を正確に理解している方は、医者を含めて少ないと思います。私は神経内科医として自律神経を以下のように考えています。

 自律神経は脳と内臓をつなぐ電線(末梢神経)で、この電線の調子が悪いと、脳のストレスなどは容易に内臓へ伝わってしまうのです。この状態を自律神経失調症と呼ぶのです。従って自律神経失調症は内臓の病気とも考えることが出来ます。例え内臓そのものは良くても、自律神経に問題があれば、内臓疾患が起こってしまうのです。考えてみれば、内臓はすべて自律神経により動いているので、自律神経失調は万病の元と言えるのです。自律神経失調では、一般に交感神経(内臓を戦わせる神経)が副交感神経(内臓を休ませる神経)より強くなった状態を指します。自律神経失調では次のような症状が起こります。


動悸

交感神経(心臓を急かせる)が副交感神経(心臓を休ませる)に優って起こる。動悸の自覚がなくても、全身倦怠、フラツキなどとして現れることあり。

高血圧、
血圧変動

心臓や血管がいつも緊張し、余裕がないために起こる。朝、交感神経は特に強くなるため、早朝高血圧になり易い。起立性低血圧も見られる。

フラツキ、
メマイ

動悸、血圧変動に加えて、脳血管の収縮(→脳貧血→フラツキ)、内耳血管の収縮(→三半規管障害→メマイ)なども加わって起こる。

脳梗塞

脳血管の動脈硬化があるところに、強い収縮(交感神経)が起これば脳血管がつまることもある。交感神経が強いと血液も固まり易くなる。

片頭痛

脳の内外の血管がいつも収縮気味で、時にパッと拡張して頭痛が起きる。肩周辺筋の血管が収縮して血流不全になると肩こり、筋緊張性頭痛が起こる。

 この他にも、狭心症、胃潰瘍、癌など様々な疾患が自律神経失調により引き起こされます。従って日頃から自律神経機能の調整をすることは重要と考えます。

 神経内科というのは、神経科ではなく、脳~末梢神経を主に扱う内科なのです。消化器の医者が胃腸や肝臓などを診療するのと同じです。自律神経失調症は心の病気として、神経科で治療される場合が多いようです。しかし私は内科医の立場から、自律神経失調症を診療しています。

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