名古屋市の認知症、動脈硬化、自律神経失調症、その他脳、神経に関する専門的クリニック

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自律神経の値を調べる

 何らかのストレスがあり、動悸ふらつき血圧変動疲労頭痛不眠などの症状が出た場合、自律神経失調症と診断されることがあります。果たして正しいのでしょうか?単なるストレスによる緊張感でも同じような症状は起こり得ます。不安症、神経症です。自律神経失調症はこれらとは異なります。

 自律神経は内臓を動かす電線の役割をし、自律神経がおかしくなると内臓の動きもおかしくなります。そのまま放っておくと重大な内臓病につながる危険もあります。不安症、神経症は心(脳)にストレスが溜まった状態であるのに対して、自律神経失調症は体(内臓)にもストレスが及んだ状態なのです。同じような症状でも、治療法が違ってきます。

自律神経失調症のイメージ図

 そもそも自律神経は、ストレスが脳から内臓へストレスが降りないように関所の働きをするのですが、その関所が壊れるとストレスはどんどん内臓に降りてしまいます。ついにはガン、脳卒中、心臓病のような内臓病を起こします。自律神経の機能を調べることは、内臓をストレスから守る上で非常に大切といえます。

 自律神経という電線の機能を調べるため、私のクリニックでは心拍変動パワースペクトル解析という検査を用います。自律神経の動かす内臓の一つである心臓の心拍から、自律神経の調子を逆算する方法で、交感神経、副交感神経の強さを数字で出すことができます。その数値で自律神経失調症の程度も推定します。悪ければ内臓病の警戒もします。場合によっては、1〜2ヶ月の自宅療養(副交感神経値異常低下)が必要と診断することもあります。

心拍変動パワースペクトル解析

心拍変動パワースペクトル解析のイメージ図

副交感神経標準値

副交感神経標準値のグラフ

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