タンパク質は糖質、脂質と並んで三大栄養素の一つで、体内の色々な部品を作ります。筋肉、心臓、骨などの臓器の元はタンパク質ですし、血液やホルモンのような体内の代謝や免疫を営む成分もタンパク質から作られます。タンパク質が不足すると、臓器が弱り、生命力が低下することになります。
認知症の予防に関してもタンパク質はとても大切です。アルツハイマー病は中年期以降、脳内にアミロイドβが溜まることから始まります。脳の余りものであるアミロイドβはお腹の余りものである内臓脂肪と“同じ穴のムジナ”で、同じように増えていきます。ということは内臓脂肪を減らせばアミロイドβも抑えられるわけで、内臓脂肪を燃やすため筋肉を増やすことが必要です。筋肉の元になるタンパク質をしっかり取るべきです。
老年期になると、そろそろ神経細胞が弱っていきます。この時期のストレスは神経細胞をさらに弱らせます。そんな時にアミロイドβが襲いかかると、神経細胞は簡単に壊れてしまいます。ストレスでタンパク質はどんどん消費されるので、タンパク質を補充しなければなりません。うつ状態、自律神経失調症のある方は、特にタンパク質を意識して取りましょう。
いよいよ老後になったら認知症は目と鼻の先で、認知症をグッと引き寄せるのがフレイルです。フレイルでは栄養失調、筋肉減少が目立つようになります。栄養失調の主体はタンパク質低下で、タンパク質からできる筋肉は減少していくわけです。筋肉が減少すると運動、活動が減り、神経ホルモンが分泌されなくなります。脳内で情報を伝達する神経ホルモンが減れば、認知機能も低下していきます。タンパク質をしっかり取って運動することがフレイル予防の第一課題です。
タンパク質は最低一日に1g/体重(Kg)必要です。体重50kgの人なら、50gということになります。肉、魚、豆100gで15〜20g、卵1個、納豆1パックで大体6〜7g、豆腐一丁20g、牛乳1リットル30gが目安です。あなたは十分タンパク質を取れてますか?