名古屋市の認知症、動脈硬化、自律神経失調症、その他脳、神経に関する専門的クリニック
現在、我国でアルツハイマー病が急増している一因として、食生活の欧米化が考えられています。
戦前の日本では、蛋白質源は豆か魚でした。豆は植物性蛋白質で、植物繊維が含まれます。食物繊維は脂質等を体外に押し出す作用があるため、動脈硬化の抑制効果があり、さらに豆の成分であるイソフラボンには認知機能を改善させる効果も期待できます。魚(特に青魚)に含まれるEPAは動脈硬化抑制作用の他、脳神経細胞の膜を柔軟にする働きがあり、脳神経細胞の情報の伝達や受け入れを活発にします。その為には1日イワシ6匹を摂取するのが適当だそうですが、現代の日本人の多くは不足していると思われます。
代わりに最近の日本人は、蛋白質源として肉をたくさん食べるようになりました。肉の中でも鶏肉はまだ魚に近い成分であり、豚肉もビタミンB1(脳の代謝に良い)が豊富なのでまだましですが、牛肉はあまり良いとは言えません。というのは牛肉には蛋白質に脂肪がたくさんくっ付いているからです。
その脂肪はそのままにしておくと、すぐに固まってしまいます。先ほどEPA(魚油)は脳神経細胞を柔らかくすると述べましたが、獣油は脳神経細胞の膜を固くして脳の活動が鈍ります。その上に肉食で血中コレステロールは増えますから動脈硬化は促進されます。脳の動脈硬化のため、脳へ十分に血流が運ばれなくなると当然脳の機能が低下します。このように獣油(特に牛肉)は脳神経細胞および脳動脈を固くしてしまいます。もちろん牛肉にも大きな長所があります。美味しいという点です。目の前にステーキが出てくると、心がウキウキしてきます。このウキウキ感が脳を活性化させるのです。結論として数日に一度、とても美味しい獣肉を楽しみ、他はなるべく豆や魚を食べるよう心がけるのが良いと思います。