名古屋市の認知症、動脈硬化、自律神経失調症、その他脳、神経に関する専門的クリニック

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薬の飲み方

"" 今我国は超高齢社会を迎えようとして、急激な社会福祉費の増加が懸念されています。日本が長寿国である一つの要因として、豊富な医薬品を保険で、たやすく安価に服用できる点が挙げられます。他の国の多くは、そのような訳にはいかず、日本人はその点には感謝しながら、大切に服用すべきです。そこで、薬の飲み方について、私の意見を独断も交えて述べてみます。

 以上のような背景から、薬が飲みたくない患者や貴重な薬剤を嫌がる患者へ、無理に服用を勧めたり、飲ませるつもりはありません。薬は"有難や"と思って飲まないと、あまり効力を発揮しません。たとえ、医学的に絶対必要な薬でも、患者が納得しないのに、無理やり処方はしません。

 投薬の優先順位は、まず血圧の管理だと思います。理由は、高血圧は短期間で血管を壊すからです。取りあえず血圧だけは安全圏内に管理しておくのが無難と考えます。よく3,4日薬を忘れる患者もいますが、血圧の薬だけは、そのようないい加減な飲み方は許しません。次にひどい糖尿病の血糖改善剤も出来るだけ規則的に服用すべきです。その他の薬も、きっちりと飲むに越したことはありませんが、数日さぼっても命に別条はありません。

 高脂血症や軽い糖尿病の薬は、患者の気持ちに任せて、飲みたくなければ、その分運動や食事療法を頑張ってもらい、どうしても数値が改善せず、患者さんも薬を希望するなら処方します。薬の強さも、血圧の薬は強めに出しますが、これらの薬は弱めから始めて様子を観るようにしています。飲むなら、患者さんが納得して、そして有難いと思って飲んでほしいものです。薬のおかげで美味しい食べ物を多めに味わえるわけですから。

 患者さんの血圧や血液データが想定値から外れる場合、しっかり服用していない事も考えられます。単にズボラな場合もありますが、そのような人の中に認知症が含まれます。認知症といえば、アルツハイマー病予防薬がありますが、これも本人がイヤイヤ服用するのでは効果は望めません。

 最後に高齢者の薬の飲み方についてですが、内臓機能や代謝が衰えていくのですから、年を取るごとに薬は減らしていくのが順当だと思われます。年をとると病気が増えるので、そのような訳にはいかないことも多いですが、医者も患者も薬を減らして行く努力をすべきと思います。それに代わって、「体」を鍛えることに留意しましょう。そうすれば病気を減らせることもあります。「体に手間ひまかけて、薬を減らす」のが望ましい高齢者のスタンスと考えます。

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