日常生活の中で,私たちが安定した立位をとり、スムーズに歩くことができるのは、身体の安定性を保つ平衡(バランス)機能が備わっているからです。この平衡機能が低下すると、安定姿勢を保つことが困難になり転倒しやすくなります。
平衡機能をみる方法として、重心動揺検査が行われます。直立姿勢をとった時に現れる身体の揺れを記録、分析します。この検査により重心動揺(ふらつき)の大きさと重心の変位(左右又は前後に重心がずれる)がわかります。
この結果から身体のバランスの異常を知ることの他、現在の健康状態、歩行や体操などの運動の効果を把握し、体力の向上、転倒予防に役立てることができます。
身体の動揺をなるべく少なくするよう、筋力を強化し、柔軟性を増し、姿勢を整えねばなりません。今回我々は右図のように、歩行能力を筋力、柔軟性、安定性、歩行力に分けて分析し、改善のための訓練をワンポイントで指導できるような新しい歩行能力検査を始めました。
良く歩き、身体を動かし、運動不足を解消することは脳や身体のいろいろな部分が活性化され、病気になりにくい元気な身体をつくります。そのために歩行評価をおおいに参考にしていただきたいと思います。