名古屋市の認知症、動脈硬化、自律神経失調症、その他脳、神経に関する専門的クリニック

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老後、家で暮らすということ

 超高齢社会では、多くの高齢者は一人(または二人)で暮らしていかねばなりません。昔なら高齢者は珍しく、大家族の中で大切にされ、余生を暮らすことが出来ました。しかし核家族化が進んだ現代においては、家族の援助はあまり期待出来ません。

 「終の棲家」をどこにするのか? どう考えても3通りの方法しかありません。一つは、ある年齢に達したら子供と同居すること。それがダメなら、二つ目の方法として、老人ホームなどの施設に入ること。これらの方法が嫌なら、三つ目の方法として、独居(あるいは二人)暮らしを最後まで貫くしかありません。これが最も望ましい生き方かもしれませんが、年はどんどん取っていくので、いつ何時病気が襲いかかるかわからぬという不安はつきまといます。

 最近の病院の姿勢として、ちょっとした軽い病気では入院するのは困難です。また高齢者がいったん病気にかかると、回復に時間がかかります。"病気は治っても、体力は戻らない"という場合が往々にしてみられますが、病院はそこまで待ってはくれません。病気が治り次第、退院せねばならないのです。

 このように病気は治癒したものの、すぐには在宅生活に復帰する体力、生活力に自信がない患者が、ゆっくり自宅復帰を目指すための中間施設が望まれるところです。そこでリハビリを行い、自宅に復帰した後の福祉のアドバイスも受けられたら良いと思います。病院から自宅への架け橋という役割を果たすのです。

 中間施設のもう一つの役割として、上に述べたような最後まで自宅で暮らしたい高齢者をサポートする目的もあります。普段は自宅で何とか暮らし、体調が悪化した時、臨時で数日(数週)間入居していただくのです。ここでは特別な医療行為は行えませんが、最低限の看護・介護や食事が提供されます。そして自宅に復帰する体力が戻れば、退居していただくのです。

 以上のようにして、どうしても自分の家で暮らしたい高齢者に対して、色々な役割を果たす中間施設が普及していくことが望まれます。

下記に従来の中間施設を挙げてみました。

【老健施設】病院の延長でリハビリがなく、寝たきりになり易い 【サービス付高齢者住宅】基本的には永住になってしまう、費用が高い 【ショートステイ】2~3日しか居られず、介護保険の範囲内で使用

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