年を取るに従い、代謝が落ちていきます。その結果、若い頃より食べなくても、体内に栄養分が余っていくことになります。余った栄養分は大抵が脂肪に変わりますが、この脂肪が内臓脂肪なら、困ったことになります。動脈硬化が引き起こされるのです。代謝を少しでも上げるには、運動することが大切です。若い頃より運動に力を入れましょう。
年を取ると、さらに活性酸素という体内のサビも増えていきます。サビは少しくらいなら構いませんが、増えすぎると臓器をダメにしてしまいます。一番ダメな状態が癌なのです。活性酸素は、若い頃なら一晩のうちに体の外へ吐き出されてしまいますが、年を取ると体の中に残って増えていくことになります。だから癌年齢というのがあるのです。クヨクヨと立ち止まって、ストレスを貯めることは避けましょう。
川の流れを想像して下さい。流れが止まったりゆっくりだと、あちこちにゴミが溜まっていきます。体内でゴミというのが、上に述べた内臓脂肪や活性酸素などにあたります。流れが速ければ、そんなにゴミは溜まらないはずです。このように考えると、我々も年を取ったらジッとしていてはいけないという気になってきます。年を取れば取るほど、運動すること、考えること、そして働くこと。このように、老後は止まらないよう努めることが病気を寄せ付けない秘訣と思われます。みなさんも出来るだけ止まらないよう心掛けて下さい。
そんな訳で、私も老後、止まらない生活パターンを作るため、現在の臨床医を続けようと決心しました。内心、60歳くらいで引退しようかと思っていたのですが、予定変更です。患者さんに「がんばれ!」と言うからには、私も頑張らねばなりません。体と脳が続くかぎり頑張ります。細く長く続けるため、今年
4月から水曜日と木曜日の診療を、大学の先輩である古池保雄先生に代わっていただくことにしました。御理解下さい。