名古屋市の認知症、動脈硬化、自律神経失調症、その他脳、神経に関する専門的クリニック

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~「余り病」について~

 『「余り病」が命を奪う』という本を書きました。医者になって30年ほど経ちましたが、一つの結論のような本です。
 「余り病」というと、何か良い意味に取られがちですが、最近は栄養などが余って病気が起きることが多いという内容です。
 現代は栄養過多とストレスで病気が起きるのです。袋の中に残った食べ物をしまっておき、月日が経つにつれてこの「余りもの」が増えて、さらに腐っていくことも想定されます。このようなことが体内で起こってしまったら、どうなるでしょう?

  •  例えば動脈硬化これは内臓脂肪という余りものにより引き起こされる余り病です。肥満の中でも、内臓脂肪が多いタイプは動脈硬化を起こしやすいのです。内臓脂肪から動脈硬化を引き起こすホルモンが分泌され、動脈硬化による血管障害(脳梗塞、心筋梗塞、腎不全など)が起こることをメタボリック症候群とも呼びます。

     も余り病です。体内で徐々に活性酸素という余りものが増えていき、癌細胞の増殖を進めるのです。動脈硬化と癌は同じような起源なのです。ということは、動脈硬化という余り病の管理をすることは、癌の予防にもつながるのです。

     それだけではありません。最近急増してきているアルツハイマー病も、アミロイドという脳の余りものにより起こる余り病なのです。認知症の治療薬はまだ発明されていません。それならば、生活スタイルの改善により、アミロイドを少しでも減らす努力が大切です。

     未だに栄養失調を怖がる患者さんがみえます。どうも食べないことへの恐怖が我々にはあるようです。特殊な事情を除いて、栄養過多が現代病の元になるということを忘れないで下さい。
    "余らせる"ことは、体にとっても罪悪なのです。

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