名古屋市の認知症、動脈硬化、自律神経失調症、その他脳、神経に関する専門的クリニック
下の2つの線が何を意味するかが、これからの話になります。これは私が考える体内変化です。はじめの赤い曲線が上がり始めるのが、中年期と考えてください。曲線は徐々に上がっていき、途中から下がっていきます。この曲線が下がり始めた頃から、もう一つの青い直線が上がっていきます。この頃が老後と考えてください。
はじめの曲線が体内にたまる有害物質、次の直線が体のあちこちの故障の量、程度と考えてください。体内の有害物質が徐々にたまっていき、それが落ち着いた頃に故障が始まるのです。面白いのは、有害物質はいつまでもたまり続けるのではなく、その勢いはどこかの時点で終息し、その頃から故障が起きるということです。中年期から老後にかけて、体内では栄養過多で有害物質がたまって病気が起きる潮目と、体の部品があちこち壊れて栄養失調で病気が起きる潮目があります。最初がメタボ(栄養過多症候群)余り病の潮目、次がフレイル(栄養失調症候群)、足りない病の潮目といえます。この2つの潮目は真逆であり、人生のどこかで生活スタイルや薬を大きく変える必要も生じます。潮目を読み間違えると、健康寿命を縮めてしまう可能性もあります。
「栄養過多(余る)から栄養失調(足りない)へ」、「メタボからフレイルへ」、「余り病から足りない病」というように、病気の潮目が変わる時を見逃してはいけません。この大きな潮目の変化に、免疫力の低下、自律神経失調が追い打ちをかけます。それらにより癌、動脈硬化、脳血流の低下(脳貧血)、認知症、慢性心不全、肺炎などが襲って来るのです。
上手に潮目を読んで、適切に体調管理や医学検査・治療を受けることが大切です。医療経済は一杯一杯ですから、不必要に医療費をかけるのも考えものといえます。そのような観点から『50歳からはじめる! 老後の健康の不安が減らせる本』というのを出版しましたぜひ御一読ください。